「日光は敵か味方か?ビタミンDとがんリスクを巡る最新の科学とは」

日差しを浴びることで体はビタミンDを作り出すが、その一方で皮膚がんのリスクもある。健康に欠かせないこの栄養素を、どう摂取すればいいのか? 科学はまだその答えを模索している。


ビタミンDは「骨と免疫の守り神」

ビタミンDは、骨を丈夫に保つだけでなく、筋肉の機能や免疫システムの働きをサポートする重要な栄養素だ。にもかかわらず、「どれくらい必要なのか」「どうやって取るのが正解なのか」については、未だ専門家の間でも意見が割れている。

多くの研究者が共通して指摘しているのは、多くの人がビタミンDを十分に取れていないという現実。しかし、「何が十分か」という定義さえ、まだ完全には定まっていない。


日光?サプリ?食事?混乱する摂取方法

ビタミンDを作る最も自然な方法は日光を浴びること。しかし皮膚がんのリスクを避けるためには、肌を守る必要があるとされている。

一方で、ビタミンDを多く含む食べ物といっても、限られており、食事だけで十分な量を得るのは難しい。サプリメントも選択肢ではあるが、その効果については見解が分かれている。


「ビタミンDはがんに効く」は本当か?

2026年4月に発表された学術論文が、新たな波紋を呼んでいる。その内容は、ビタミンDの血中濃度を「最適」に保つことが、大腸がんの予防や進行の抑制に「不可欠」だとするものだった。

この論文を受けて、「ビタミンDが大腸がんを防ぐ」という報道が相次いだ。しかし実際には、論文が根拠とした試験の多くはがん患者に対して明確な効果を示しておらず、臨床的な意義も限定的だった。

つまり、この分野の科学的理解はまだ完全ではなく、ビタミンDが病気に与える影響は、予想よりも限定的である可能性がある。


どう受け止めればいいのか?

米国の内分泌専門医は、「ビタミンDが大切なのは間違いありませんが、その影響は世間が思うほど広範ではないかもしれません」と語っている。だからこそ、「どう摂るべきか」「本当に必要なのか」といった混乱が起きているのだろう。

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